割り算に関して、とても興味深いネット記事を見つけました。 (参照:18÷0=? 小3の算数プリントが不可解な出題で物議「割れませんよね?」「“答えなし”では?」(ねとらぼ)
話題の発端は、ある小学生の親御さんの投稿です。小学生の娘さんの課題プリントで「18÷0」という問題が出題され、「こたえなし」と書いて提出しました。 後日、返却されたプリントには、「こたえなし」と書いた問題はバツになり、学校の先生がいうには「0で割ったら答えは0」という説明を受けたそうです。
この出来事を親御さんがSNSに投稿し、物議を醸したわけです。
さすがに、これには唖然とさせられました。 小学校の先生が微積分などの高校数学の内容を忘れている、あるいは理解できていないというのは仕方ないと思います。 また、義務教育レベルとはいえ、普段触れることの少ない中学校の内容を忘れてしまうこともあるでしょう。 しかし、まさか小学校3年生で習う割り算をちゃんと理解していないとは…。
以前から、きちんと割り算を理解していない小学生、中学生が多いように感じていました。 例に出すと、割り算の答えは、必ず割られる数よりも小さくなると、思い込んでいる小学生、中学生が多くいます。
今回の件で腑に落ちました。割り算を理解していない人でも小学校教員に就けるのだから、子どもたちが理解していないのも当然だなと…。 もちろん、ほとんどの小学校の先生たちは、ちゃんとしていると思いますが…。
小学校教諭の免許をもっている妻にこの件を聞いてみたら、「割り算がわかっていなくても小学校の先生になれちゃうんだなー、これが!」だそうです。 ちなみに妻は「÷0は割れないから答えない」と正しい認識でした。
「□÷0ができない」という話は、私の授業では必ずするようにしています。 中学1年生の数学の方程式の単元で、等式の性質では「等式の両辺を0でない同じ数で割っても、等式は成り立つ」ということを学びます。 その際、なぜ0でないという文言が入るのかについて、説明するからです。
□÷0が計算できないことを説明する方法は、いくつかあります。自分なら生徒には以下のように説明します。
1つ目は、「8÷2=4という式は、8=4×2と表すことができる。もし、18÷0=0であるならば、18=0×0となるため、18÷0=0は間違いである」というもの。 ただ、小学生や割り算を理解していない中学生は上の説明では理解できない場合が多々あります。
そこで、2つ目は、「8÷2=4という式は、8-2=6、6-2=4、4-2=2、2-2=0というように、8から2を4回引けたことを表す。 18÷0であれば、18-0=18、18-0=18、……、と0を永遠に引き続けないといけないから問題として成立しない」と説明します。
小学生にも説明しやすいので、2つ目の説明の方を多用しています。
うっかりや勘違いは誰でもあります。そういう意味では、学校の先生の出題ミスも仕方ないことだと思います。
ただ、問題なのは、生徒の書いた正しい答えである「答えなし」をバツにしてしまったこと。 これは、どういう意図だったのか。
18÷0=0と思い込んだ結果のバツなら、まー色々とひどいですが、まだ許容できる。 ただ、いろいろ調べた結果「答えなし」という答えが正しいと認識したけれど、自分の教えたことと異なるからバツということであれば、これは最悪です。
一体どういう理由でバツにしたのか、これまた非常に興味深いです。
2024年7月1日更新