夏休みが終わり、2学期が始まると、高校受験生の保護者の方からの問い合わせが増えてきます。
問い合わせ内容は「志望校は○○高校、内申点は△点、定期考査、実力テストは□点です。今から何とかなるでしょうか?」というものがとても多いです。
せっかくのお問い合わせなのですが、返答に非常に困ります。 仮にそう思ったとしても、「何とかなります!」「もうどうにもなりません!」とは言えないからです。
個別の内容にはなかなかお答えできませんが、お子さんの高校受験で不安な保護者の方が多くいらっしゃるようなので、今回は福岡県立高校の入試の合否判定と私の考え方について書きます。
まず、県立高校の合否判定の仕組みについて簡単に説明したいと思います。
上の図の縦軸は入試本番の点数をあらわします。上に行くほど入試本番の点数が高くなります。 一方で横軸は内申点と調査書の内容です。今回は内申点のみに焦点を当てて説明します。 横軸は右に行くほど高い内申点となります。
ここでは、例として、入試の基準点を190点、内申の基準点を32点と表示しています。
合格者選定の第一フェーズは、入試の点数が190点以上、内申点が32点以上、どちらの基準点も超えた受験者の層をA群。 そうでなかった受験者をB群に分けます。(図1参照) このA群に含まれる生徒は、合格が決まります。 A群の割合は各高校の裁量によるのですが、だいたい定員の60〜70%の合格者が決まるように基準点を定めるようです。
第一フェーズでA群に入れなかった受験者にもまだチャンスがあります。
次に合格者選定の第二フェーズでは、このB群から合格者を選び出します。
ここでは、B群を細かく分けていきます。 入試の点数は190点を超えたが、内申点が32点をわずかに超えられなかった層をB1群、 内申点が32点を超えたが、入試の点数が190点にわずかに超えられなかった層をB2群、 どちらも超えられなかった、または片方が超えられたが、他方が基準点を大きく下回った層をB3群
B3群は不合格となり、残りの30〜40%の合格者はB1群とB2群から選定されます。
ここで、うえで説明したB1群とB2群のどちらの方が合格しやすいのかを考えます。 言い換えると、入試において、入試当日の点数と内申点のどちらが重視されるのか、ということです。
あらかじめ断っておきたいのは、ここでの内容は、私のこれまでの経験に基づいた考えなので、本当にそれが正しいことであるかどうかはわかりません。
内申点が基準点を下回っている状態で入試の自己採点が凄く良かった生徒(B1群)より、 内申点が基準点を上回り、入試当日の点数が基準点を超えなかった生徒(B2群)のほうが、合格することが多いように思っています。
つまり、重要度でいえば「内申点>入試の点数」ということです。完全に経験則で何の根拠もありませんが…。
当日の点数が基準に届かなくて落ち込んでいる子が合格し、当日の点数が基準点を大きく超えて合格を確信している子が不合格になるパターンが多いです。 たいてい前者は内申点が良くて、後者は内申点が低かったりします。
まぁ、内申点が良い子は普段から自分に対して厳しく接するため、自己採点も厳しめ。 一方、内申点があまり取れない子は、自分に甘めでいい加減なところがあるので、自己採点が実際の点数よりも高くて当てにならないということがあり得そうですが・・・。
学力は高いのに、内申点が取れずに不合格になってしまう生徒によくあるのは、 定期考査の点数がいいから主要5教科はオール5であっても、 副教科で4,5がとれていないからです。
県立高校の合格を目指すのであれば、普段は主要5教科の予習・復習、ワークをコツコツと進めて、 定期考査前に試験範囲が発表されたら、副教科の提出物と試験範囲の学習を定期考査の1週間前までに終わらせる。
それから主要5教科の学習を進め、テスト前日は副教科を中心にもう一度見直す。 これくらいの余裕をもって、定期考査の勉強を勧めないと、全教科で高得点を取ることは難しいと思います。
また、内申点が取れない人は提出物もかなりいい加減です。 やる気さえあればいくらでも書くことができる授業の感想を一言だけしか書いていない、 プリントの文字は汚く、ボロボロ。
志望校の内申点の基準に遠く届かないのであれば、受験する前から合格の望みはほとんどありません。 中3の2学期の段階であれば、内申点の改善をすることが可能ですから、ベストを尽くしましょう。
2023年10月14日更新
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