私は学習においてのゴールとは、自力で確実に正解を導きだせるようになることだと思っています。
最初に教科書をきちんと読み、次に例題を解いてみて、解説を読む。解説を読んでも理解できない場合は、過去の内容ですでにわからなくなっており、理解するのに必要な知識が足りていないということです。過去に戻って復習する必要があります。
例題を解いてみて正解していた場合も、解説をきちんと読み、一通り理解ができたら演習問題を解きます。そして、答え合わせをして間違っていたときは、解説を読み、必要に応じて過去の内容の復習を行い、再度チャレンジしてみます。
私の経験上、中学生のうち、平均点くらいの生徒のほとんどは、そもそも演習問題を解いていないどころか、教科書すら読んでいません。
学校のワークにおいてもきちんと解いていないのです。数学であれば、各章の簡単な基本問題は解いていますが、応用に関しては答えを丸写ししているだけ。 他の教科も同様で、語句や記号を答える問題は解きますが、記述が求められるとやはり答えを写すだけです。このような学習の仕方では、低空飛行が延々と続き、 中学生では平均的でも、高校生になると共通模試で平均にすら届かなくなります。
一方、演習問題を一通りは解いている生徒がいます。5教科平均点よりも70点から100点くらい高く、コンスタントに400点以上を越えてくる生徒です。 基礎的な問題はほぼ完璧に熟し、応用問題についてもそこそこは解けます。
そのような生徒を見ると、自発的に教科書や問題の解説を読み、演習問題に取り組んでいる人が多いと感じます。 しかし、常に450点以上を超えることのできる生徒と比べると、まだまだ改善の余地があります。
450点以上を常に取れる生徒、特に5教科がほぼ満点に近い、475点以上を超えることのできる生徒は、自力で1度問題が解けたくらいでは納得できないという人が多いと思います (あるいはその指導者が)。今回は解けたけれど、別の問題や別の機会で解いたら解けないかもしれないと考えます。
そうすると、別の日に同じ問題を解きなおしたり、類題を解いて、本当に出来るようになったかを納得するまで追及します。 つまり、「できた!」と思った状態がスタートラインで、「本当にできるようになったのか?」という疑問や不安を演習を繰り返すことで払拭させることがゴールとなります。
問題に対する理解度も然ることながら、テストに臨むうえでの精神状態の違いが、点数差としてあらわれると考えています。
これはスポーツや音楽なども同じだと思います。
スポーツにおいて高難易度の技が練習で一度できても、試合では技の使用を控えるでしょう。 さらに繰り返し練習をして、技の精度をあげていき、失敗の不安が解消されたときに試合でも使用が可能となります。
楽器演奏でも同様なようです。ピアノ講師をしている妻によると、ピアノ演奏で3回連続で成功するまでは何度も練習をつづけるように指導をしているそうです。
勉強でも同じです。1度きりの正解では当てにならず、テスト(試合)で不正解のリスクがあります。それを防ぐために、問題や時間を変えて繰り返しチャレンジし、自信を持ってテストに臨める状態を作り出す必要があるわけです。
2021年9月5日更新