県立高校の入試では、入試当日の点数とは別に、中学校が高校に提出する内申書が合格者の選定に利用されます。
内申書とは、中学校から生徒が志願する高校に提出される調査書のことです。 その調査書には、学校の成績(内申点)、学校への出欠状況、生徒の性格などが記載されており、 とくに通知表の5段階評価を点数化した内申点が重視されます。 内申点は9教科を5段階に評価し点数化したものです。 最低点は全教科1の9点で、最高点は全教科が5の45点となります。
ちなみに、福岡高校に合格するために目指すべき目標点は、入試当日の試験は5教科で300点満点中260点以上(得点率87%)。 また、内申点は45点中40点以上(得点率88%)です。入試の結果、内申点共に88%をクリアしていれば、ほぼ確実に合格すると言っても良いでしょう。
それでは、これらの条件をクリアするには、中学3年間をどのように過ごせば良いのでしょうか。
おそらく多くの方は、内申点40点以上を取るためには多大な努力が必要だと思われるかもしれません。 しかし、私の経験上、40点をクリアできる生徒の多くは、他の生徒より必死に努力しているわけではないのです。
むしろ、20点後半や30点台の生徒の方が、必死になってワークを進めている印象があります。 私の授業では、学校のワークを宿題にすることがあります。 そして、次の回の私の授業時には、眠たそうな目で「昨日は夜中の2時までワークをして、提出範囲を全ておわらせました。 おかげで4時間しか眠れませんでしたよ(笑)」なんて寝ていない自慢をする子もいます。 宿題の範囲はそれほど広くなく、コツコツとやっておけば、夜中の2時までかかりません。
一方、40点以上の生徒は、ワークの宿題を出さずともすでに自ら進めているのです。 その教科の授業が始まる前後の空き時間や帰宅後の暇な時間にやっています。 多くの場合、本人に努力している自覚がなく、暇なときにワークなどの課題を熟すのが当たり前になっているのです。
当たり前に出来るようになるためには、小学生の段階からの訓練と習慣化が必要です。 ですから、競争は小学生時代から始まっているわけです。
それでは内申点をアップさせるためには、どのようなことに気をつけば良いのでしょうか?
@ 授業中の態度
これは当たり前のことですが、授業中は集中して真面目に取り組みます。 授業中に私語をしない、寝ない、手遊びはしない、ボーっとしない。
黒板の前で授業をしていると、生徒たちの様子は手に取るようにわかります。 以前、私も多人数への授業を行っていました。 コソコソと喋ったり、寝ていたり、授業とは別のことを考えている生徒は、目立って見えます。
基本的に周りに迷惑をかけていなければ、そのまま授業を続行させるので、生徒本人はマイナスの評価をされていることに無自覚です。 しかし、中学校で内申点をつけるときには、きっちりとマイナス評価がされるのです。
A 課題や提出物
ワークは定期試験後に提出を求められますが、その期限はかならず守りましょう。 そして、期限直前に慌てて終わらせることがないようにします。 授業で習ったらすぐにワークの基本問題や演習問題を解き、知識を定着させます。
提出期限の直前まで終わらせていないと、焦りから文字が雑になり、見栄えが悪くなります。 私も生徒のノートや答案の採点をしますが、やはり丁寧な文字でやられていると、気持ちのいいものです。 一方、雑な文字は見るとがっかりしてしまいます。
提出物やテストの答案は、先生に採点してもらう物です。 提出するときは、丁寧な文字で書き、プリントなどはクシャクシャにならないように慎重に取り扱うように心がけます。
B 授業中の発言
授業中は積極的に発言します。 やはり、積極的に自分の考えを発言できる人は、周りから魅力的な評価を受けます。
発言することを好まない性格の生徒もいます。 そういう子の話を聞くと、発言して間違ったときに恥ずかしい思いをしたことがあったり、 間違った時の周りから視線や沈黙に不安感・恐怖感を抱いている場合があります。 その場合、克服するのはなかなか難しいですが、まずは予習を行うことで自信をつけさせてあげると、 発言に対する不安を軽減することができます。
以上のように福岡高校を受験する生徒の多くは、態度、提出物、発言など高評価を受ける言動を小学生の段階から身につけています。 それは、内申点対策は中学生になってから気にするようにしようでは、間に合わないからです。 授業態度や提出物の管理は、中学生になったから急に上手くできるようになることはありません。 「鉄は熱いうちに打て」のことわざにある通り、頭が柔らかい小学生のうちに教え込まないと、 中学生になってからではなかなか言動が変わることはありません。
もっとも、今回紹介したことは受験うんぬん以前に、社会人になってからも必要なスキルです。 ですから、小学校の低学年の頃から、高校受験なんてまだまだ先のことなどとは思わずに、 意識して練習させておく必要があるでしょう。
(2016.6.18更新)
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