ゲーム依存症は、 学力・運動能力の低下、趣味の偏り、自己管理能力の発達不全、生活習慣の乱れなどのさまざまな弊害が引き起こします。
今回は、子供にゲームを買い与える前に考えてほしいこと、具体的にはゲーム依存症の予防対策について書こうと思います。
最初に家庭用ゲーム機の歴史について簡単に説明します。
約30年前に任天堂の据え置き型ゲーム機「ファミリーコンピューター(ファミコン)」が発売し、 爆発的な大ブームになり、それ以降もソニーの「プレイステーション(プレステ)」など様々なゲーム機が発売されました。 テレビにつなぐ必要があるため、限られた場所でしかプレイできないという特徴があります。
一方、テレビがなくてもプレイすることのできる携帯型ゲーム機もあり、 現在「ニンテンドーDS(DS)」、「プレイステーションポータルブル(PSP)」などがメジャーです。
さらに21世紀になりインターネットや携帯電話が普及し、 ユーザー同士でコミュニケーションがとれる「ネットゲーム」も広まりをみせています。
ゲーム機は大まかに「据え置き型ゲーム機」、「携帯型ゲーム機」にわけられます。 またネット利用の有無によって「オンラインゲーム」と「オフラインゲーム」に区別することができます。
このように、ここ30年で子供たちの遊びにゲームが参入し、ゲームで育った子供たちが親になり、 以前に比べるとよりいっそうゲームが生活の中で身近な存在になったといえます。
ゲーム依存を引き起こすリスクは、ゲームの種類によってそれぞれ違います。
まず、ゲームの形態で依存を引き起こすリスクを比べてみると、「携帯型ゲーム機>据え置き型ゲーム機」と言えるでしょう。
据え置き型ゲーム機は、屋内の限られた部屋でしかできない為、親の目が行き届き、プレイしすぎることを防ぎます。 一方、いつでもどこでもプレイ可能な携帯型ゲーム機は、親の目が届きにくいので、プレイしすぎてしまうリスクが高まります。
次にネット利用の有無でゲーム依存のリスクを比べてみると、「オンライン>オフライン」と言えます。
それはオンラインだとゲーム内でのユーザー同士の交流が発生するため、 友達に会うためにゲームをやるというように動機付けが強化されるからです。
ですから、ゲームを買い与えるときは、据え置き型ゲーム機のオフラインゲームを選択することで、 依存症リスクをある程度軽減させることが可能です。
ゲームは据え置き型のオフラインゲームが理想ですが、携帯型ゲーム機を欲しがるお子さんも多いでしょう。 例えば、子供に大人気の「ポケットモンスター」は携帯ゲーム機でしかプレイすることはできません。
携帯型ゲーム機は、いつでもどこでもできる為に、依存性はかなり高いです。 子供が部屋で勉強をしていると親が思っていても、実際は小一時間ゲームをしていたなんてことはよくあります。 そうならないように、普段から親がゲームを所有し、子供には貸し出す形でプレイさせる必要があります。
貸し出すときにはきちんとルールを作ります。 具体的にいつまでプレイしても良いけれど、その時間を過ぎたら返却させるようにします。 もしも、時間通りに返却しない場合は、ペナルティを与えます。 「切りが良くなくてセーブができなかった」などという言い訳に耳を貸す必要はありません。 約束を守らなかったのだから、遠慮なくゲームの電源を切ってしまいましょう。
ゲームだけでなく、全ての物事にはルールがあり、人はそれを守らないといけません。 ルールを守らなければ、当然その報いを受けないといけません。 それが世の中の道理というものです。
ただし、あまりに厳しくしすぎるのも考え物です。 それは自分でゲーム機を購入して、隠れてプレイするということも考えられるからです。 そこは互いの妥協点を模索し、親が上手くコントロールさせる必要があります。
スマホも同じことが言えます。 勉強中にゲームや友達とのメールなどで勉強に集中できない子がとても多いです。 携帯電話もあくまでも親の所有物として、勉強中は親の目の届くところに置かせるといった対策が有効です。
昔のゲームは、ある意味でとても教育的だったと思っています(笑)
昔は、セーブするのにも、ひたすら長い文字の羅列のパスワードを紙に書いて、ゲームを保存していました。 1文字の書き間違いで、これまでのゲーム上での蓄積が水の泡となるため、子供たちはより慎重により丁寧にパスワードを紙に写していました。 また、ソフトにセーブ機能がついてからも、ちょっとした衝撃でゲームデータが消えてしまう為、ゲームソフトをとても大切に扱っていました。
私自身、ゲームをして育った世代ですから、ゲームのメリット・デメリットを知っています。 だから、ゲームを無理に禁止するのは、悪手だと思っています。 子供時代はそれで済むかもしれませんが、親元を離れてそれまでの欲求が爆発する人を何人か見てきましたので…(苦笑)
親子でゲームとの上手な付き合い方を模索していくことが理想的だと思います。
(2013.10.22更新)
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