1月28日 テレビ東京のカンブリア宮殿で「予防すれば虫歯ゼロ!ニッポンの歯科を変える歯医者さん」という特集が放送されました。 (URL http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/20160128.html)
解説者の日吉歯科診療所 理事長の熊谷崇さんは、それまで「削る、埋める、被せる」の虫歯治療がスタンダードであった歯科業界で、予防することの重要性をかかげ歯科院経営をされたそうです。 最初は多くの困難な課題があったため、ほぼ赤字経営だったようです。 けれども、15年間の啓蒙活動の末、現在では日吉歯科診療所のみならず、日本の歯科医療全体で予防歯科が浸透しました。 また、現在では、歯科領域のみならず医療業界全体に病気になる前に、予防しようという考えは常識となりました。
2000年台前半は、医療の限界や健康保険制度の破たんといった問題がよく取りざたされていた時代でした。どの論文でも学術大会の発表でも、予防するしかないという結論に至ります。当時の私は医療大生として勉強しながら、家庭教師の仕事もしていましたので、私の中で医療においても教育においても予防が重要であると考えるようになったわけです。
(参考:勉強が解らなくなる前に 予防の重要性(2013.10.03))
しかし、残念ながら一般的には学力不振を予防するという発想にはならないようです。 昨年、ビリギャルが話題となったように、圧倒的に劣勢な状況で逆転満塁ホームランにより勝利すると言った、劇的なストーリーが人々に好まれます。1イニングにコツコツ1点ずつ取っていくスモールベースボールは受けないのです。
(ビリギャルの真相は、もともと有名進学校に在籍し、謳い文句であった偏差値30台は学内の偏差値、そして毎日塾に通わせることのできる親の経済力があり、慶應義塾大の合格を成し遂げたみたいですが。)
ただ、現実は違います。一度、学力不振に陥るとなかなか脱却することはできません。とくに、中学校卒業までに勉強がわからなくなる場合は、生活態度、さらに言えば生き方そのもの変える必要があります。ゲーム依存、スマホ依存も同様です。一度陥ってしまったら、余程のことが無い限り、そこから抜け出すことは出来ません。
ですから、予防が重要なのです。日常的に学力不振につながる不安要素をあぶり出し、改善をする。これを繰り返せば、授業についていけないと言うことはないのです。