受験生の生徒には、出来るだけ模擬試験を受けるように促します。 その結果によって、必要以上に喜んだり、落ち込んだりする生徒と親御さんがいます。
確かに良くできたら嬉しいですし、悪かったらショックを受けるのは分かります。ですが、それを何日も引きずってもらったら非常に困ります。 本来、その生徒の改善点を見つけるために、模擬試験が行われるわけです。
模擬試験の結果が振るわず、改善点が多く見つかったとすれば、それは喜ぶべきことなのです。 逆に苦手な分野が出題されず、本来の実力以上の点数が出る場合もあります。 これは不安に思うべきなのです。
これは医療における検査と同じです。 健康診断で早期に病気が見つかれば、さまざまな治療の選択ができ、改善する可能性も高まります。 しかし、発見が遅れれば、すでに終末期で治療法がなく、緩和ケアをするのみです。 病気が早期の段階で見つかっても、落ち込んで治療に気持ちが向かなければ、悪化するだけです。
また、初期の疾患では、不運にも検査で発見できない場合があり、そのまま進行してしまうこともあります。
病気の場合は、運の要素が大きく、最新の医療技術・設備、さらに有能な医師の力をもってしても、どうにもならないことがあります。 けれども、勉強は自分の努力次第でどうにでもなります。
受験は競争です。模試の結果の良し悪しにかかわらず、早く気持ちを切り替えて対策をした人が勝てるのです。