家庭教師か塾かで悩まれる親御さんが多くいらっしゃると聞きます。そこで家庭教師のメリットについて、改めて考えてみようと思います。
@ 移動時間、移動手段
家庭内で行われる家庭教師は、通塾する手間を省くことができます。 通塾にかかる時間は人それぞれでしょうが、だいたい往復で1時間以上にはなると思います。 1年単位で考えていくと、膨大な時間を塾と家との間の移動に費やすことになるでしょう。
また、自宅と塾の位置関係によっては、ご家族の送迎が必要になる場合もあります。 生徒自身が交通機関や自転車で通う場合は、事故、寄り道、非行などから防止対策も必要です。 移動時間がもったいない、近くに塾がない場合は、家庭教師を選んだほうが良いでしょう。
A 集団授業 vs 個人授業
集団授業の塾の場合は、学校の授業よりも少し早いペースで授業を行います。
つまり、同じような授業を塾と学校とで2回も受けることになるわけです。一方で、家庭教師の場合は、マンツーマンの授業です。
また、質問しやすい状況を作り出せるのも個人授業のメリットの一つです。 塾でわからないところを質問できる生徒であれば良いのですが、質問に行かずにそのままにしている生徒も多くいます。 授業中や授業外で質問することのできない生徒には家庭教師の指導のほうが合っていると言えます。
B 教師とご両親との対話
ご両親が生徒の状況を理解できているかは、とても重要なことです。
塾の場合は、年に数回、個人面談を行っているところもあります。 それでも、お子さんの状況を塾側から説明されることが少なく、信頼関係が築きにくいと思います。 実際に、教師とのコミュニケーションを大事にしたい、子どもの状況を知りたいと、おっしゃる親御さんは多くいます。
教師との対話のしやすさも家庭教師のメリットの一つです。 私の場合、授業終了後に5分10分程度ですが、その日に行った内容、今後の授業方針、生徒の状況についてをお話するようにしています。
C 宿題の出し方
塾でも家庭教師でも授業と同じくらい大切なのが、宿題です。質の高い授業を受けても、家で宿題をしなかったら、まったく学力はあがりません。
集団授業の塾の場合は、予め購入したテキストから宿題が出されます。 生徒たちは別々の中学校に通っているため、学校行事などに合わせて、量の調整ができません。また、学校の宿題や提出物に対応することもできません。 家庭教師の場合は、学校行事によって宿題を減らしたり、定期試験前は学校のワークから宿題を出したり、柔軟な対応ができます。
提出物ができていない、定期試験前にワークを溜め込んでしまう生徒には、家庭教師がおすすめです。
おわりに・・・
本来、塾は家庭教師に求められるニーズを満たすことはできないのです。 個別指導塾というものもありますが、移動時間、ご家庭との対話、宿題の点などは集団指導塾と同じです。
塾も学力をあげるのには、効果的だと思います。 しかし、高校進学、大学・専門学校進学、就職後のことを考えると、勉強は自宅で自ら行うように育てることが重要だと思います。 高等教育・専門教育になると、塾や家庭教師で教わることができなくなります。そこで頼りになるのは自分だけ。 中学卒業後、そのような状況を乗り切れるように指導してあげられるのは、塾よりも家庭教師だと思うのです。