これまでにいくつかの博多女子中に関する記事を書いてきました。 その記事をご覧になった方から、多くのお問い合わせを受けます。
さまざまなご質問とご相談を受けた経験から、博多女子中を目指そうと考えられている方へ以下の4つについて知っていただきたいと思い、今回新たに記事を作成しました。
@ 博多女子中学受験は私立中学受験である
A 小学校で学ぶ授業内容だけでは解くことができない
B 遅くとも入試の1年前には対策を始める必要がある
C 合格はゴールではなくスタートである
「そんなこと言われなくても分かってるよ!」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、 意外と「久留米附設中、大濠中、西南中のような難関校と違って、博多女子中は偏差値も低いし、大した努力をせずとも合格できるのでは?」と軽く考えられている方が少なくないように感じています。
ネットで偏差値を調べてみたら、博多女子中は40前後です。 それをみて、偏差値50が平均だから、40であれば小学校の成績がまあまあ取れていれば合格できるに違いないと勘違いされているのかもしれません。一般的に偏差値40といえば、下位15%くらい。 100人いれば85番くらいの水準を表します。
しかし、ここでの偏差値は、私立中学の受験対策という特別な学習をした生徒たちだけを対象にしたものとなります。 小学校の低学年から塾に通い、弛まない努力を続けてきた子どもたちの集団が対象なのです。 そのような集団の中なのですから、下位15%であったとしても一般的な小学生の集団のなかでは優秀と呼べる水準にあります。
ですから、きちんと努力を積み重ねなければ、博多女子中学校に合格は出来ないと私は考えています。 小学校6年生の時期は、特に大事な時期です。受験生である、受験生の子どもがいるという自覚をしっかりと持つ必要があります。
博多女子中学校の入試問題を一度見ていただけるとわかるのですが、小学校で受けるテストとは難易度が違います。
また、小学校では学ばない知識が問われる場合もあります。
例えば、算数であれば、小学校では扱わない複雑な図形の面積や植木算、鶴亀算、仕事算の問題も出題されています。 また、等差数列などの数列の問題が毎年出題されており、きちんと対策をしておかなければ、正解することが難しいです。
西南学院中や大濠中の入試問題と比べると、博多女子の場合は小学校のカリキュラムに沿った出題傾向ではありますが、 きちんと私立中学校受験に特化した対策をしておくべきだと思っています。 過去問だけちょっと解いておけば良いといった付け焼刃の対策では、対応できないでしょう。
特待選抜入試の理科や社会についても、小学校の授業内容だけでは対応できません。
6年生になってから、それまで何の対策もせずに博多女子中の受験を目指したいとご依頼を受けることが少なくありません。 そこからの頑張り次第では不可能とまではいいませんが、かなり厳しいと思っています。
ですから、その大半のご依頼については、心苦しく思いますが、お断りをさせていただくこともあります。 中にはもともと地頭が良く、それまでに小学校で学んだ内容がしっかり定着しており、そのまま私立中受験対策に移行できるため、 ご依頼をお受けしたこともありましたが、非常に稀なケースです。
私としては、小6の1学期までに、算数は小学校で学ぶ全内容+中学受験の内容を一通りおわらせたいと考えているので、 遅くとも小学5年生の冬には対策を始めなければならないと考えています。
また、入試説明会には5年生のうちから参加しておくことが重要です。 学校の雰囲気や入試の傾向を早くから知っておくことで有利になります。 また、特待選抜入試の過去問は市販されておらず、入試説明会でのみ前年の問題が配布されています。 必ず5年生、6年生のどちらもにも参加して、2年分の過去問を入手しておきましょう。
博多女子中学を目指す方の多くは、3年後に内部進学をするのではなく、公立中や難関私立中を目指すことを希望されています。
6年制の中高一貫校にも言えることですが、入試に合格したとしてもそこはゴールではありません。 むしろ新たな競争のスタートといえます。
A日程、特待選抜ともに1月の中旬には、合格発表となります。それから入学までの約3か月は英語や数学などの中学校で学ぶ内容の先取り学習を行わなければなりません。
私が指導する公立中学に進学する生徒は、小学校を卒業する時点で、すでに数学と英語の中1で学ぶ内容を終えている人も少なくありません。 もちろん、英進館などの大手塾で先取り学習をしている子も小学校卒業の段階で、中1の1学期の内容は終わっています。
そのような子たちと3年後には競争をしなければならないのです。
入試に合格して気が緩む3か月となりがちですが、 入試合格がスタートと考えて、3年後の競争に向けて動き出すことをお勧めします。 できるだけ早く始めて時間を味方につける。競争に勝つための基本です。
2023年4月23日更新
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