筑紫女学園中学校の入学試験の受験科目と配点は、国語(100点)、算数(100点)、社会(75点)、理科(75点)の合計350点となります。
近年の合格最低点は、2020年度は167点、2019年度は154点、2018年度は133点と公表されており、だいたい50%を取れると合格できるようです。 しかし、目標は各教科60%で合計が210点以上を目標に学習を進めるとよいでしょう。
2020年の受験者503人に対して、合格者412人で倍率1.22倍でした。しっかりと準備をしておけば、合格の難易度はそれほど高くありません。
次は過去5年間の過去問を参考に、各教科の出題の特長と対策を記載します。
ここ数年で出題傾向に若干の変化が見られますが、毎年共通しているのは、論説文・説明文、漢字の読み書き、言葉の意味を問う問題が出題されています。 文章読解は物語文、随筆などは出題されていないため、論説文・説明文の演習に特に力を入れておきましょう。
60%以上の得点をするためには、漢字や言葉の意味、記号問題をできるだけ落とさないようにすることが重要です。
文章読解では、空欄に接続語を入れる問題が必ず出題されます。空欄の前後に書かれている内容をきちんと把握し、適切な語を選択できるようにします。 また、選択問題では、本文中に書かれていることと選択肢を比較し、本文中に書かれている内容とは異なる箇所を見つけて消去していく練習をします。
また、敬語、四字熟語、ことわざ、さらに俳句の季語など幅広く出題されていますが、一つ一つの内容は基礎的なものが多いため、 時間をかけてじっくりと知識を増やしていってください。
算数は大問が6題で、小問は25題です。大問1は四則計算や単位変換、比や平均など数に関する小問集合、大問2は図形に関する小問集合となっており、 全体の小問の半分が大問1,2に集中しています。 これらの問題の難易度はほとんどが基礎レベルであるため、大問1,2で多くの点数を取っておきたいところです。
大問3以降は、規則性、数列、論理の問題、旅人算、流水算、和差算など中学受験算数となっています。 各大問は、小問2〜3題で構成されており、60%以上の得点を取るためには、各大問で最低でも1題は正解しておきたいところです。 どのような問題が出題されても対応できるように、ここにはない植木算やつるかめ算など幅広く学習をしておきましょう。
また、50分間で25題の問題を解く必要があるため、あまり一つの問題に時間をかけすぎるわけにはいきません。 実力的に解ける問題と解けない問題の見極め、回答時間の配分方法、イージーミスの防止に注意して演習を行う必要があります。
社会は大問が3題で、大問1が地理分野、大問2が歴史分野、大問3が公民分野となっており、小問の数は合計で30題前後となっています。 各分野ごとの出題割合は、大問2の歴史が他の大問とくらべて若干多く出題される傾向にあるようです。
すべての分野において、出題範囲は幅広く、基礎的な問題ばかりとなっています。 45分間で30題と問題数は多いですが、解答形式はほとんどが記号選択と用語の記述であり、論述は10〜15字程度のものが1題であるため、 時間配分を間違わなければ時間が足りなくなることはないと思います。
自由自在のような網羅系テキストを繰り返し読むことで基礎知識をつけることが重要です。 また、グラフや表、写真などの資料を用いた問題が多く出題されるため、受験用の資料集もよく確認しておくとよいでしょう。
さらに、公民分野ではオリンピックやそのときの内閣総理大臣の名前といった時事問題も出題されています。 日ごろからニュース報道をチェックするようにしておきましょう。
理科は大問が7題で、小問の数は合計で40題程度となっています。 出題範囲は多岐にわたり、問題はほとんどが基礎的なレベルです。 論述問題は過去5年は出題されていません。 50%弱が記号選択になっており、45分間で40題と小問の数は多いですが、しっかりと準備をしておけば時間が足りなくなるということは少ないでしょう。
過去5年の出題内容は、各分野からバランスよく出題されていますが、植物と天体(太陽、星、月)は特に出題頻度が高いです。 全体的に実験や観察をテーマとした問題が出題されています。 実験の目的や結果の予想、データの読み取りなど、しっかりと理解しておくようにしましょう。 また、物理・化学分野では、計算問題も4〜5問程度出題されています。計算問題の演習は繰り返しおこなうようにしてください。
全教科において、基礎的な水準の問題ばかりで構成されています。小学校5年生の秋ごろから、私立中学受験の基礎レベルの参考書、問題集を丁寧に繰り返し 学習していれば、入試で80%以上の得点は難しくないはずです。
〜各教科の学習ポイント〜
国語
論説文の読解、漢字、四字熟語・ことわざ、敬語、俳句、詩
算数
四則計算、図形の角度、面積、体積、中学受験算数(数列、旅人算、和差算など網羅的に)
社会
地理、歴史、公民をバランスよく、図や表・グラフの読み取り、時事問題への対応
理科
植物、天体を中心に幅広く、実験の目的と結果の予想、実験データの読み取り、計算問題
過去問を使用して試験時間の配分をコントロールする訓練をしておく、計算問題のケアレスミス防止を徹底的に対策することが重要です。
2021年5月5日更新